ドコモのケータイ料金をdポイントで支払える「ドコモ料金への充当」機能。dカード利用者にとってこの機能が本当におトクなのかを調査してみました。
【シミュレーターについて】ポイント充当することでどのくらいおトクになるかの計算機をつくりました。目次の下に設置しましたのでお試しください!
【シミュレーター】おトク計算機
1円単位の誤差はご容赦ください。(バグがあるかもしれません。。。)
【結論】「ドコモ料金への充当」おトクな場合と損する場合がある
「ドコモ料金への充当」はいろいろな要素が絡み合い、おトクになるか損するかの判断がむずかしいです。
特に「ドコモ利用料金に対して付与されるポイント還元率」の影響が大きいです。dカード PLATINUM利用者のようにポイント還元率が高い人ほど損してしまうリスクが増えます。
dカード(ノーマル)利用者にはおすすめ
調査の結果、dカード(ノーマル)の利用者はドコモ料金へのポイント充当で、比較的安定しておトクが得られそうです。ポイントの使い方として「ドコモ料金への充当」はおすすめできます。
これはdカード(ノーマル)の利用料金に対するポイント還元率が「1%」と低くいことが要因。「ポイント充当することで本来もらえるはずだったポイントが減ってしまう」というデメリットが小さいため、メリットを十分に得ることができます。
dカード GOLD、PLATINUM利用者は要注意!
調査の結果、dカード GOLDやPLATINUMの利用者は利用料金に対するポイント還元率が「10~20%」と高いため「ポイント充当することで、本来もらえるはずだったポイントが減ってしまう」という悪影響が大きいです。正直ポイントの使い方として「ドコモ料金への充当」はおすすめしません。
特にdカード PLATINUMの入会初年度はポイント還元率が20%なので、ポイント充当するとほぼすべての条件で損してしまうと予想します。
ポイント 還元率 | カード | 結論 |
---|---|---|
10% 15% | dカード GOLD dカード PLATINUM ・2年目以降で月20万円未満 | 条件によってはおトクになるが、毎月の充当作業が大変。おすすめしない |
20% | dカード PLATINUM ・入会初年度 ・2年目以降で月20万円以上 | ほぼすべての条件で損してしまう。おすすめしない |
この調査の背景
2024年12月9日「dカードご利用代金の支払いにつかう💳」機能がスタートしました。これは非常に優秀な機能で、dカード PLATINUM利用者がdポイントを消化する方法の最有力候補になりそうです。(ぴったり!検討ラボでは以下の記事で調査しました↓)
一方、既存の類似機能である「ドコモ料金への充当📱」があります。
【新機能】dカードご利用代金の支払いにつかう💳機能
【既存機能】ドコモ料金への充当📱
これら2つの類似機能のどちらがおトクなのかを知りたかったため、この記事では「ドコモ料金への充当📱」について調査することにしました。
「ドコモ料金への充当」とは
ドコモのケータイ料金などをdポイントで支払うことができる機能です。期間限定ポイントが失効してしまいそうなときに1円単位で充当できる点がすばらしいです。
以下は公式サイトの説明です。
しかしこの「ドコモ料金への充当」には利点と弱点があります。トータルでみて本当におトクなのでしょうか。詳しく調査してみました。
「ドコモ料金への充当」の利点
【利点①】期間・用途限定ポイントが使える
「ドコモ料金への充当」は、2024年1月10日から期間限定ポイントによる充当も可能になっています。これは非常に大きな利点です。
しかし2024年12月9日にスタートした「dカードご利用代金の支払いにつかう」機能も期間限定ポイントによる充当が可能ですので、今回の調査ではこの利点は着目しません。
【利点②】料金充当特典(最大5%)
2024年10月3日から「料金充当特典」というサービスが追加されました。
ドコモ料金にdポイントを充当すると、dポイントクラブの会員ランクに応じて充当したポイントの最大5%分が追加で充当されるというもの。この追加分のポイントは充当申込み月の翌々月請求分に自動で充当されます。
会員ランク | 追加で充当されるポイント |
---|---|
5つ星 | 充当したポイント×5% |
4つ星 | 充当したポイント×2% |
3つ星 | 充当したポイント×1% |
1つ星、2つ星 | なし |
以下は公式サイトの説明です。終了時期は未定ですがあくまで期間限定で提供している特典のようです。(終了する場合は3か月前に通知)
【利点③】充当したポイントの約10%おトク
「ドコモ料金への充当」は消費税前の金額に対してポイントが充当されます。「だから何?」といった内容なのですが、調べてみると要は「充当したポイントの約10%分、勝手におトクになります」ということのようです。以下公式サイトの説明の概要です。
以下に具体例を示します。
【具体例】500ポイントを充当する場合
【以前の場合】消費税後の料金にポイント充当
- 税込3,000円に対し500ポイント充当する
- 支払う額は2,500円です
【現在】消費税前の料金にポイントが充当される
- 税込3,000円ということは税抜だと2,727円
- その2,727円に対し500ポイント充当する
- 支払う額は、2,227円に消費税10%(223円)を足して2,450円です
つまり50円おトクになっていることになります。
何となく騙されているような気もしますが、本当に充当したポイントのおよそ10%分おトクになる計算です。充当するポイントが多いほどおトクが大きくなります。
以下公式サイトには、より詳しい説明があります。
「ドコモ料金への充当」の弱点
【弱点①】取得ポイント減少のリスク
dカード GOLDやPLATINUMのメリットとして、ドコモ料金に対するポイント還元があります。
dカード GOLDやPLATINUMでケータイ料金やドコモ光などを支払うと、1,000円(税抜)単位の料金に対して10%~20%分のポイントが付与されます。(ただし、ahamoやirumoは対象外。カード種別によらず1%固定)
このポイント付与の仕組みと「ドコモ料金への充当」は相性が悪いです。これが1つ目の弱点です。
- ドコモ料金にポイント充当した場合、充当後の金額で1,000円単位の判定が行われる
- そのためポイント充当することで本来もらえるはずだったポイントがもらえなくなるリスクがある
【具体例】ポイント充当することでポイントが減ってしまう
- 1,000円単位のポイント還元率が10%の人のケース
- ケータイ料金が4,200円(税抜)だった時の例
ポイント充当しなかった場合
(ポイントは1,000円単位の料金に与されます)
- 4,000円×10% = 400ポイント付与される
300ポイント充当した場合
- 支払額は3,900円(税抜)になる
- ポイントは1,000円単位の料金に付与されるので、3,000円×10% = 300ポイント付与
- 100ポイント減ってしまう
余談ですが、このドコモ料金に対しポイント付与されるシステムは「ポイント付与が1,000円単位の料金に対して計算される」という点以外にもいくつか注意点があります。
【弱点②】毎月の「ショッピングご利用金額」目減り
2つ目の弱点はdカード PLATINUM利用者かつPLATINUM入会2年目以降に影響する内容です。他の方には影響はありません。
dカード PLATINUMでは毎月の「ショッピングご利用金額」に応じて各種ポイント還元率が変動します。つまり毎月の「ショッピングご利用金額」は入会2年目以降のdカード PLATINUM利用者にとって重要で、ポイント獲得に大きな影響があります。
(入会初年度は無条件で最高還元率の20%になりますので問題ありません)
実はこの「ショッピングご利用金額」がポイント充当することで目減りしてしまうというのが2つ目の弱点です。
- 毎月の「ショッピングご利用金額」はポイント充当後の金額で計算される
- ポイント充当を行うことで毎月の「ショッピングご利用金額」が目減りしてしまい、各種ポイント還元率が下がってしまうリスクがある
例えばドコモ利用料金(ケータイ、ドコモ光、ドコモでんき)対するポイント還元率は以下です。(dカード PLATINUM2年目以降の場合)
毎月のショッピング利用額 | ポイント還元率 |
---|---|
10万円以下 | 10% |
10~20万円未満 | 15% |
20万円以上 | 20% |
更にマネックス証券のクレカ積立に対するポイント還元率は以下です。(dカード PLATINUM2年目以降の場合)
毎月のショッピング利用額 | ポイント還元率 |
---|---|
10万円未満 | 1.1% |
10万円以上~20万円未満 | 2.1% |
20万円以上 | 3.1% |
dカード PLATINUM利用者は入会2年目以降は注意が必要です。
【弱点③】年間の「お買物累計額」目減り
これはdカード GOLD、PLATINUMの利用者のみの注意点。それほど大きな弱点ではありません。
- dカード GOLD、PLATINUMの「年間ご利用額特典」の判定で使用される「お買物累計額」は、ポイント充当後の金額で計算される
- ポイント充当することで「お買物累計額が」目減りし「もう少しで1つ上の特典がもらえたのに」ということが起こる可能性がある
ただ、dカード GOLD、PLATINUMの「年間ご利用額特典」の判定で使用される「お買物累計額」は100万円単位ですので、ポイント充当のあり・なしが影響する可能性は低いと考えます。
「お買物累計額」は毎年12月15日までのショッピング利用金額(税込)で集計されます。現状の金額はdカードのサイトなどから確認できますので、気がついた時にチェックしておくと安心ですね。
【具体例】おトクなケース、損するケース
「ドコモ料金への充当」の仕組みは、利点と弱点が複雑に絡み合っており、おトクになるのか損するのかの判断がむずかしいです。
ここからは実例を挙げて詳しく分析します。
【例①】ケータイ料金3,400円(税別)
イメージしにくいのでグラフにしてみました。せっかくポイント充当しても損してしまうリスクがあることがわかります。

充当ポイント | 実質支出 | 充当なしとの比較 |
---|---|---|
充当なし | 3,440円 | - |
300ポイント | 3,395円 | 45円おトク |
500ポイント | 3,465円 | 25円損する |
500ポイント充当してしまうと、料金が3,000円を下回ってしまうので「もらえるポイント①」が100ポイント目減りしてしまいます。「充当特典②」と「消費税分のおトク③」はわずかに増えますが、トータルで充当しない場合より25円分損してしまいます。
充当後の料金が1,000円単位で下回らないように調整して充当することがポイントになりますが、実際には難しいです。
【例②】ドコモ光料金5,400円(税別)
ドコモ光は毎月の料金が一定なので管理しやすいかもしれません。
おトクを狙って税抜が1,000円単位になるように400ポイント充当したケースと、全額分(5,400ポイント)を充当したケースを見てみましょう。
結論から言うと全額充当したケースが1番おトクになります。

充当ポイント | 実質支出 | 充当なしとの比較 |
---|---|---|
充当なし | 5,440円 | - |
400ポイント | 5,380円 | 60円おトク |
5,400ポイント (全額分) | 5,130円 | 310円おトク |
全額充当した例では、310円×12か月で年間では3,720円のおトクとなります。これが実現できればかなり大きいです。しかし全額充当も万能ではありません。更なる調査で以下の注意点が見えてきました。
上記の例はポイント還元率10%で計算した例です。dカード PLATINUMは初年度の還元率が20%となり結果が大きく異なります。
毎月同じポイント数を充当するのは大変
上記注意点については後述します。(【さらに調査①、②】にて)
【更に調査①】ポイント還元率ごとに比較
「ドコモ料金への充当」がおトクになるか否かは下記の2つの影響が大きいです。
- ドコモの利用料金
ポイント充当後の料金が1,000円単位でぴったりになるようにするとおトクになる - ケータイ料金に対するポイント還元率
還元率が高くなると損する傾向になる
dカード PLATINUMは入会初年度の還元率が20%になります。この場合、ドコモ料金へポイント充当してしまうとほとんどの条件で損してしまうことがわかりました。
以下に3つのグラフで説明します。
(いずれも料金充当特典は5%(=5つ星)で計算しています。)
【ケース①】料金5,400円(税抜)
料金が5,400円(税別)のケースです。
【縦軸】おトク度
【横軸】充当するポイント数
ポイント還元率ごと色分けして折れ線グラフにしています

- 【還元率1%】充当すればするほどおトクになります
- 【還元率10%】おトクになることが多いです。特に1,000円単位になるように充当することでよりおトクになります
- 【還元率15%】何も考えずに充当するとおトクになる場合と損する場合が半々くらいです。1,000円単位になるように充当すればおトクになります。
- 【還元率20%】ほぼすべての条件で損してしまいます
【ケース②】料金4,900円(税抜)
次は料金が4,900円(税別)のケースです。
上記5,400円(税別)の例よりも全体的にグラフが上に移動しておりおトクになる傾向です。しかしポイント還元率20%のグラフ(グレーの線)は依然ほとんどの条件で損することがわかります。

【ケース③】料金5,000円(税抜)
最後に料金が5,000円(税抜)のケースです。
上記4,900円(税別)より100円高くなっただけなのですが、充当前が5,000円ピッタリなので少し充当するといきなりマイナスからスタートします。全体的にグラフが大きく下に移動しており損する傾向になっています。ポイント還元率15%と20%はすべての条件で損しています。

上記からdカード PLATINUMの初年度などポイント還元率が20%(グレーの線)の場合、ほとんどの条件で損してしまうことがわかります。
【更に調査②】dカード GOLD、PLATINUM利用者が活用できる可能性
dカード PLATINUMの入会初年度は還元率20%なので「ドコモ料金への充当」をおトクに活用することは難しそうです。ではdカード GOLDやPLATINUMの2年目以降の利用者が活用する方法がないかを模索しました。
結論から言うと、活用できなくもなさそうですが、得られるポイント数の割に大きな手間がかかりおすすめしません。
毎月固定の料金に充当する案【おすすめしません】
毎月変動する料金に対しポイント充当額を毎回調節するのはとても手間がかかります。
一方ドコモ光など毎月固定の料金ならおトクになるポイント充当額が一定ですので、それを毎月充当するのなら少し手間が減ります。毎月の「ショッピングご利用金額」が目減りする点が気にならなければおトクに活用できるかもしれないと考えました。
また2024年12月18日の発表によると「ドコモ料金への充当」が強化され「2025年7月(予定)からあらかじめ設定したポイント数を毎月自動で充当する機能」が追加されるようです。こちらが活用できるかもしれません。
2024年12月18日ドコモ報道発表
「dポイントクラブ」のサービス内容の変更および一部サービスの提供終了について
「あらかじめ設定したポイント数を毎月自動で充当する機能を追加」
しかしこの案にも落とし穴がありました。。。それは「料金充当特典」です。
せっかく月々同じポイント数を充当しようとしているのに充当特典分のポイントが翌々月に勝手に追加で充当されてしまいます。会員ランク(5つ星など)も変動し特典のポイント付与率も変動。それを加味しておトクになる金額を充当しなくてはなりません。結局は毎月充当するポイントを計算する手間が出てしまいます。
期間限定ポイントでよいので一般的なポイントとして加算していただきたかったです。
結果的にやはり私には「ドコモ料金への充当」は使いこなせなそうです。。。
【2025年1月25日 追記】まだあきらめられず、毎月固定のドコモ光への充当しておトクにする実験を模索中です↓
まとめ
「ドコモ料金への充当」はdカード(ノーマル)の利用者にはおトクでおすすめです。
しかしポイント還元率の高いdカード GOLDやPLATINUMの場合は、条件によっておトクになる場合も損する場合もあるので注意が必要です。特に、dカード PLATINUMの入会初年度は無条件に20%の還元率になりますので、ほぼすべての条件で損してしまいます。
今回dポイントの使い方を検討する中で、この「ドコモ料金への充当」を調べてみました。個人的には「dカードご利用代金の支払いにつかう」機能の方が使いやすそうです。今後も情報収集し、変化があれば情報をアップしていく予定です。
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以上、ぴったり!検討ラボでした!
ポイントも立派な資産です。
ポイントを充当した分(=使用した分)も支出として扱っています。